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親知らず抜歯後のケア方法〜痛みと腫れを抑えるポイント

親知らず抜歯後の痛みと腫れについて
親知らずを抜歯した後、多くの方が痛みや腫れを経験されます。
これは抜歯によって歯ぐきや周辺の組織が損傷し、炎症を起こすためです。決して異常なことではなく、身体が傷を治そうとする正常な反応なのです。
痛みのピークはいつ頃?
麻酔が切れる抜歯後2〜3時間から痛みを感じ始めます。
痛みのピークは抜歯翌日で、その後徐々に引いていくことが多いです。通常、抜歯後3〜4日から1週間ほどで痛みや腫れは治まっていきます。
ただし、2週間ほどは若干の鈍痛が残ることもあります。これは親知らずの部分に大きな穴が空いているために、刺激が手前の歯に直接加わることで起こる場合があります。
腫れのピークと持続期間
腫れのピークは痛みから少し遅れて、抜歯後2〜3日目くらいです。
親知らずが半分または完全に埋まっている状態だと、歯茎を切開する必要があります。また、親知らずが横に向いている場合は、歯茎を切開し骨を削る必要もあります。このような場合は、抜歯後の腫れが起きやすいです。
外見からもわかるくらい大きく腫れることもありますが、1週間くらいすれば自然に治ります。腫れの程度は、親知らずの生え方や体調などによっても左右されます。
抜歯後に必ず守るべき7つの注意点

親知らず抜歯後の回復を早めるためには、いくつかの重要な注意点があります。
これらを守ることで、不要な痛みや合併症のリスクを大幅に減らすことができます。
1. 過度にうがいをしない
抜歯後は出血があるため、うがいをしたくなる気持ちはよくわかります。
しかし、過度にうがいをすると、抜歯箇所にできた血餅(血の塊)が剥がれ、出血が持続することになります。血餅は出血を止めるための蓋の役割を果たしているのです。
口腔内には唾液が豊富に存在します。そこにわずかな出血が混じるだけで、唾液ごと全部赤くなります。これは抜歯後出血には該当しませんので、ご安心ください。
抜歯当日は血の味がしますが、翌日には止血できていることがほとんどです。最低でも抜歯後24時間は、なるべく強いうがいは避けるようにしましょう。
2. 長時間の運動・入浴・飲酒を控える
抜歯した日に長時間の運動や入浴、飲酒をしてしまうと、血行が良くなり、出血が止まらなくなるおそれがあります。
また、患部に痛みが出たり、腫れたりする場合もあるでしょう。抜歯後は激しい運動を避け、湯船には浸からないようにすることをおすすめします。
痛み止めや抗生剤を服用している間は、飲酒も控えておきましょう。抜歯後2〜3日間は、安静に過ごすように心がけてください。
3. 喫煙を控える
喫煙をすると、たばこに含まれるニコチンが血管を収縮させ、傷の治りが遅れるおそれがあります。
また、免疫力が低下し、細菌感染のリスクが高まるため、親知らず抜歯後の喫煙はお控えください。喫煙者は非喫煙者よりも毛細血管が収縮し、治りが悪くなります。
抜歯後、傷口が落ち着くまでは禁煙をお勧めします。
4. 抜歯箇所に刺激を与えない
抜歯箇所を舌や指で触ると、細菌が侵入したり、血餅が剥がれ落ちたりします。
抜歯箇所が気になっても、決して触らないようにしましょう。舌や指で触れてしまうことで、出血が起き、縫合した糸がとれてしまうこともあります。
糸がとれると傷口が開き、治りが遅くなってしまう恐れがあるでしょう。患部への過度な刺激は、ドライソケットという合併症を引き起こす可能性もあります。
5. 麻酔が切れる前に食事しない
親知らず抜歯後、麻酔が切れる2〜3時間の間は、抜歯箇所周辺の感覚が麻痺しているため、食事を控えましょう。
温度感覚がなく、火傷に気が付けないためです。局所麻酔が完全に切れるまで食事はしないでください。
術後24時間は、ジュースや牛乳、水などの水分をたっぷり飲むことから始めてください。最低1日グラス6〜8杯ほど(約2リットル)の水分を飲むことで脱水を防ぐことができます。
6. 食事の内容と食べ方に注意する
抜歯後2〜3時間は、麻酔の効果で感覚が麻痺していることや、血餅が作られはじめていることから、飲食物の摂取はなるべく控えましょう。
歯や歯ぐきに負担をかけない食事は、お粥・雑炊・ヨーグルト・柔らかい麺類などが挙げられます。最初の数日間は、噛みやすさと飲み込みやすさの面で、非常に柔らかいものを食べるよう推奨されます。
また、抜歯後数日間は、できるだけ治療部位とは反対側で噛むように心がけてください。
7. 処方薬は用法用量を守る
処方された痛み止めは、患部に不快感を感じる前に服用してください。
そのタイミングとは通常、局所麻酔が切れてくる頃になります。痛みが生じてから服用すると効果に時間がかかるため、麻酔が切れる前に飲むようにしましょう。
胃が空っぽの状態で痛み止めを飲むと吐き気が起こることがあるため、食事や飲み物と一緒に内服することが推奨されます。手術後痛みがなくなれば服用を止めても大丈夫ですが、抗生物質は必ず処方された全てを飲み切るようにしてください。
抗生物質は、抜歯後の感染を抑えるために必要となるため、全て飲み切らない場合は、合併症のリスクを高めてしまう危険性が高くなります。
痛みと腫れを抑えるための具体的な対処法
親知らず抜歯後の痛みや腫れは、適切な対処を行うことで軽減できます。
ここでは、具体的な対処法をご紹介します。
腫れた箇所の冷やし方
抜歯後の腫れを最小限におさえるには、術後24〜48時間は、アイスパックを手術部位周辺から顔の外側に向かって貼用します。
アイスパックは、20分間当てた後は20分間外してください。術後48時間を経過すると、アイスパックをしても特別な効果は得られません。
その時点では逆に、腫れを速く軽減させるには温めることが有効になります。ただし、冷やしすぎてしまうことで、血液の循環が悪くなり、腫れの回復を遅らせてしまう可能性があるため、注意が必要です。
腫れが酷く痛みが治らない場合には、歯科医院へご相談ください。
痛み止めの効果的な服用タイミング
処方された痛み止めは、患部に不快感を感じる前に服用してください。
そのタイミングとは通常、局所麻酔が切れてくる頃になります。痛みどめを飲むと、ぼんやりしたり、物事に対する反応が鈍くなることがあります。
内服中は車の運転や機械の操作等はしないでください。最もよい経過のため、飲酒は避けるようにしてください。
術後の不快感は術後2〜3日目をピークに増強し、その後は日ごとに回復していきます。もし4日経過しても痛みが続いたり、ひどくなったりするようであれば当院までご連絡ください。
出血が続く場合の対処法
術後には一定量の出血が予測されます。
血がにじむ、血の混ざった唾液が見られるなどは、術後12〜24時間中は異常ではありません。出血が多い、または持続するときには、口腔内の古い血の塊をそっとすすぐまたは拭き取るなどして除去し、湿らせたガーゼを新しく創部に当ててさらに1時間噛んで圧迫します。
適宜繰り返します。出血が続く場合は、濡れたティーバッグをガーゼと同じ要領で当てて圧迫します。お茶に含まれるタンニン酸が血液凝固を促進します。
出血量が減らない場合は、対処方法について当院までお電話ください。
ドライソケットとその予防法
親知らず抜歯後の合併症として、特に注意が必要なのが「ドライソケット」です。
この症状は激しい痛みを伴うため、予防法を知っておくことが大切です。
ドライソケットとは
ドライソケットとは、抜歯箇所の歯槽骨が血液で覆われることなく露出したままとなり、骨に細菌感染が起こっている状態をいいます。
通常は、抜歯後、抜歯した部位から出血があり、その出血が固まって血餅となり、だんだん幼若な組織に変化して最終的には健全な組織となって抜歯窩がふさがります。しかし血餅が失われ、歯槽骨が露出してしまうとドライソケットになります。
ドライソケットが生じると傷の治癒に時間がかかり、痛みがぶり返して、2週間ほど痛みが続くこともあります。親知らずの抜歯においては、だいたい3〜6%の確率で起こると言われています。
ドライソケットの予防方法
ドライソケットを予防するには、血餅を守ることが最も重要です。
過度なうがい、ストローを吸う、喫煙、手術創に触れるなどはしないでください。このような行為は血の塊をはがしてしまうため出血が持続する原因となります。
特に、抜歯後にタバコを吸うと、タバコの影響で血行が悪くなり、傷の治りが悪くなることにより、ドライソケットのリスクを高めます。抜歯後、傷口が落ち着くまでは禁煙をお勧めします。
また、舌や指で抜歯した箇所に触れてしまうことで、出血が起き、縫合した糸がとれてしまうこともあります。抜歯箇所に過度に触れることは控えてください。
抜歯後の口腔ケアと歯磨きの方法

親知らず抜歯後は、適切な口腔ケアを行うことで感染を防ぎ、回復を早めることができます。
ただし、通常の歯磨きとは異なる注意点があります。
抜歯当日の口腔ケア
抜歯当日は軽く口をゆすぐ程度にし、歯磨きは抜歯の翌日から行いましょう。
創部をガーゼで覆い、1時間ほど噛んで圧迫します。その後、ガーゼは除去し廃棄してください。出血の持続や再出血が無い限りは、湿らせたガーゼを新たに当て直す必要はありません。
口に血が溜まる時は軽く吐き出し、滅菌ガーゼを噛むと良いです。激しくうがいをすることは避けてください。
翌日以降の歯磨き方法
抜歯の翌日からは、通常通り歯磨きを行いますが、いくつかの注意点があります。
縫合糸に触れないようにする、抜歯箇所に歯ブラシを当てない、ブラッシング後にうがいをしすぎない、という3点を守りましょう。
歯茎を糸で閉じている場合は、糸に歯ブラシが引っかからないように気をつけましょう。抜歯箇所周辺は特に優しく磨き、傷口を刺激しないように注意してください。
抜糸後のケア
術後出血を最小限にし、治癒を促進するために縫合が行われます。
術後1週間で縫合部の抜糸を行います。抜糸には麻酔や針は使用しません。ほんの1分程度で完了し、不快感は伴いません。
早い時期で縫合が1つや2つほどけてしまっても心配はいりません。ほどけた縫合糸は口から除去し処分してください。抜糸後2〜3週間程度は抜歯窩を綺麗にすることで、術後の感染防止対策になります。
抜歯後におすすめの食事と栄養管理

親知らず抜歯後の回復には、適切な栄養補給が欠かせません。
食事を抜くことはできるだけ避け、身体に優しい食事を心がけましょう。
抜歯直後の食事
術後24時間は、ジュースや牛乳、水などの水分をたっぷり飲むことから始めてください。
最低1日グラス6〜8杯ほど(約2リットル)の水分を飲むことで脱水を防ぐことができます。ストローは、出血を増強させ、血餅をはがしてしまうため使用しないでください。
初日は、熱い液体や食べ物を摂取しないでください。温度感覚が麻痺しているため、火傷のリスクがあります。
おすすめの食事メニュー
最初の数日間は、噛みやすさと飲み込みやすさの面で、非常に柔らかいものを食べるよう推奨されます。
具体的には、ヨーグルト、お粥、雑炊、親子丼、お茶漬け、シチュー、柔らかい麺類などが挙げられます。栄養のバランスがとれた食事は、術後の快適な生活・体力回復・不快の軽減・迅速な治癒に不可欠です。
また、抜歯後数日間は、できるだけ治療部位とは反対側で噛むように心がけてください。食事を抜くことはできるだけ避け、身体に必要な栄養をしっかり摂取しましょう。
こんな症状が出たらすぐに受診を
親知らず抜歯後、以下のような症状が現れた場合は、すぐに歯科医院にご連絡ください。
早期の対応が、合併症の予防につながります。
受診が必要な症状
4日経過しても痛みが続いたり、ひどくなったりする場合は、創部の確認が必要になることがあります。
また、出血が止まらず、口の中がいっぱいになるというような時は、追加で止血処置が必要になりますので、抜歯した医院にお問い合わせください。
腫れが酷く痛みが治らない場合、1週間以上経っても痛みが続く場合、激しい痛みや悪臭を伴う場合なども、すぐに受診することをおすすめします。
希望ヶ丘歯科クリニックのサポート体制
当院では、親知らずの抜歯において、難症例にも対応しています。
CT撮影を行って状態を正確に見極め、丁寧に処置します。保険診療内での対応も可能で、できるだけ腫れにくく負担の少ない抜歯を心がけています。
抜歯後のケアについても、患者様お一人おひとりの状態に合わせて、丁寧にご説明いたします。不安なことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
まとめ
親知らず抜歯後のケアは、回復を早め、痛みや腫れを最小限に抑えるために非常に重要です。
過度なうがいを避ける、安静に過ごす、処方された薬を正しく服用する、抜歯箇所を刺激しない、適切な食事を摂る、といった基本的な注意点を守ることで、順調な回復が期待できます。
特にドライソケットの予防には、血餅を守ることが最も大切です。喫煙や強いうがい、患部への刺激を避けることで、このリスクを大幅に減らすことができます。
もし痛みや腫れが長引いたり、異常を感じたりした場合は、すぐに歯科医院にご相談ください。
私たち希望ヶ丘歯科クリニックでは、患者様お一人おひとりに合った治療とアフターケアを心掛けております。親知らずの抜歯に関するご不安やご質問がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
詳しくは、希望ヶ丘歯科クリニックの公式サイトをご覧いただくか、お電話にてお問い合わせください。皆様のご来院を心よりお待ちしております。
希望ヶ丘歯科クリニック 院長 武川 陽子

メッセージ
郡山市大槻町にある希望ヶ丘歯科クリニックで院長をしております武川陽子です。
私たちは、2001年の開院以来、地域に密着した歯科医院として患者様に寄り添った治療を続けて参りました。
患者様ひとりひとりに合った治療を心掛けており、その治療法の決定のため綿密にカウンセリングしております。
また、治療に関しては、不安を払拭すべく丁寧な説明も心掛けております。
歯の治療に関することなら、まずはご来院ください。
経歴
1992年 鶴見大学歯学部 卒業
1992年 新井矯正歯科(立川市) 勤務
1995年 武川歯科医院(港区) 開院
2001年 希望ヶ丘歯科クリニック 開院
