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セラミック治療の全知識|歯科医が教える7つのメリット
セラミック治療とは?歯科医が基礎から解説
セラミック治療は、虫歯や歯の欠損部分を修復するために、セラミック(陶材)を用いる治療法です。天然歯に近い色合いや質感を持ち、見た目の美しさと機能性を両立させることができます。
私は開業して24年、その前にも矯正歯科で勤務医として経験を積んできましたが、歯科治療の技術進化には目を見張るものがあります。特にセラミック治療は、患者さんの「銀歯は見た目が気になる」という悩みを解決する選択肢として、大きな役割を果たしています。
セラミックは自然な歯に非常に近い色合いや質感を持ち、前歯や奥歯の治療に適しています。具体的には、セラミックを使ってクラウン(被せ物)やインレー・アンレー(詰め物)を作成し、虫歯や破損した部分をカバーします。
金属を使わないため、金属アレルギーの心配がなく、また口腔内での変色や劣化も少ないのが特徴です。審美的な面だけでなく、耐久性も高く、適切なケアをすれば長期間使えるため、多くの患者さんに選ばれています。

セラミック治療の7つのメリット
セラミック治療には多くのメリットがあります。これから7つの主要なメリットを詳しく解説していきましょう。
1. 天然歯に限りなく近い審美性
セラミックの最大の魅力は、その美しさです。白さはもちろん、透明感や艶という点でも、限りなく天然歯に近い審美性を再現できます。
神経を除去して変色してしまった歯や、ホワイトニングで思ったような白さが得られなかった場合も、セラミックの被せ物であれば、理想的な歯の白さを取り戻すことができるのです。特に前歯など人目につきやすい部分では、この審美性の高さが大きな強みになります。
私の臨床経験から言えば、患者さんが最も喜ばれるのがこの「見た目の自然さ」です。「人前で笑うのが怖くなくなった」と言っていただけることが、歯科医として最もやりがいを感じる瞬間の一つです。
2. 二次虫歯が起こりにくい
セラミックは、長期に使用しても金属のような変形が起こりません。そのため、隙間や段差も生じにくく、二次虫歯が起こりにくいと言えます。
何度も治療を繰り返すと、それだけ歯の寿命も短くなってしまいます。削った歯を長く残すという意味でも、セラミック治療は有効です。これは単に美しさだけでなく、歯の健康を長期的に守るという観点からも重要なメリットなのです。
特に虫歯になりやすい方にとっては、この「二次虫歯のリスク低減」という点は、治療法を選ぶ上で大きなポイントになるでしょう。
3. 白さが長持ちする
保険診療でも、歯科用プラスチックやハイブリッドセラミックといった白い材料を使えるケースがあります。しかし、いずれもセラミックより早く変色が進み、早くに作り替えが必要になります。
患者様の許容範囲や使用状況によって差はありますが、セラミックは5~10年、一定の白さを維持したまま使用できます。コーヒーや紅茶、タバコなどによる着色も受けにくいため、長期間美しい状態を保てるのです。
4. 金属アレルギーのリスクがない
金属を一切使用しないセラミック治療であれば、金属アレルギーのリスクは一切ありません。金属アレルギーの方も、金属アレルギーが心配な方も、安心して使用できます。
実は金属アレルギーは年々増加傾向にあり、アクセサリーなどで金属アレルギーを発症した方が、口腔内の金属でも症状が出ることがあります。セラミック治療はそういった不安を解消できるのです。
5. 歯茎の黒ずみの心配がない
歯茎の黒ずみの原因の1つに、口腔内の金属の溶け出しがあります。金属を使用しないセラミック治療であれば、そのことによって歯茎が黒ずむことはありません。
特に前歯部分の治療では、歯と歯茎の境目の色が気になる方も多いものです。セラミック治療なら、その心配もなく、自然な見た目を維持できます。
6. 耐久性が高い
セラミックは適切な素材選びと正しいメンテナンスを行えば、10年以上使用できる耐久性を持っています。初期費用は高くても、長期的に見れば経済的とも言えるでしょう。
口腔内の環境は過酷で、金属であっても変形したり溶けたりすることがありますが、セラミックはそういった変形がなく、歯との適合性も長期間維持できます。
私の患者さんの中には、10年以上前に装着したセラミックが今でも問題なく機能している方も多くいらっしゃいます。もちろん個人差はありますが、適切なケアを続ければ、長期間美しく使い続けることが可能なのです。
7. 生体親和性が高い
セラミックは生体親和性が高く、口腔内の組織と調和しやすい材料です。そのため、歯茎との境目も自然で、長期的に見ても口腔内の健康を維持しやすいという特徴があります。
歯科治療において、見た目だけでなく口腔内の健康を維持することは非常に重要です。セラミックはその両方を高いレベルで実現できる材料なのです。
セラミック治療の種類と特徴
セラミック治療には様々な種類があり、それぞれに特徴があります。患者さんの状態や希望に合わせて、最適な種類を選ぶことが大切です。
オールセラミック
オールセラミックは、内側も外側もすべてセラミックで作られた修復物です。金属を一切使用しないため、金属アレルギーの心配がなく、最も自然な透明感と色調を再現できます。
特に前歯の治療に適しており、天然歯のような美しさを求める方に最適です。ただし、強い力がかかる奥歯には不向きな場合もあるため、使用部位によって検討が必要です。
ジルコニア
ジルコニアは「人工ダイヤモンド」とも称されるほどの高い強度を持つセラミック素材です。奥歯などの噛む力が強い部位にも適しており、強度と審美性を両立させたい場合に選ばれます。
近年の技術進歩により、初期のジルコニアに比べて透明感も向上し、前歯にも使用できるようになってきました。特に歯ぎしりがある方や、強い咬合力がある方には、このジルコニアがおすすめです。
e.max(イーマックス)
e.maxは二ケイ酸リチウムを主成分とするセラミックで、自然な透明感と美しい色調が特徴です。オールセラミックほどではないものの、十分な強度も備えており、前歯や小臼歯に適しています。
見た目と耐久性のバランスが良く、多くの歯科医師から支持されている素材です。私のクリニックでも、前歯部のセラミック治療ではよく使用する素材の一つです。
メタルボンド
メタルボンドは内側が金属、外側がセラミックでできた修復物です。金属の強度とセラミックの審美性を組み合わせたもので、強度が必要な部位に使用されます。
ただし、内側に金属を使用するため、金属アレルギーの方には不向きです。また、経年変化で歯茎が下がると金属が見えてくることがあるため、前歯部では注意が必要です。

セラミック治療のデメリットと注意点
セラミック治療には多くのメリットがありますが、デメリットや注意点もあります。治療を検討する際には、これらも理解しておくことが大切です。
自費診療であるため費用が高い
セラミック治療の最大のデメリットは、保険が適用されない自費診療であるため、費用が高額になることです。1本あたり数万円から十数万円かかるため、複数の歯を治療する場合は、かなりの費用負担になります。
ただし、長期的に見れば、保険の金属やプラスチックの詰め物は5~6年で再治療が必要になることが多いのに対し、セラミックは10年以上使用できることを考えると、トータルコストでは大きな差がない場合もあります。
割れることがある
セラミックは、白い陶製の材料です。そのため、瞬間的な強い力がかかったとき、陶器のように割れてしまうことがあります。特に歯ぎしりや食いしばりが強い方は注意が必要です。
大きな力がかかることが分かっている奥歯には、ジルコニアなどの硬度の高い材料を選ぶことが大切です。また、ナイトガードなどを使用して、就寝中の歯ぎしりから保護することも有効です。
「セラミックは割れない」と思われている方も多いですが、使い方や素材選びによっては割れるリスクがあることをご理解いただくことが重要です。
神経を抜く治療をする場合がある
虫歯が深い場合や、歯の形を大きく変える必要がある場合には、神経を抜く(根管治療)必要が生じることがあります。これにより、歯の寿命が短くなるリスクが高まります。
できるだけ神経を残す治療を心がけていますが、状況によっては神経を抜かざるを得ないケースもあります。そのような場合は、メリットとデメリットを十分に説明した上で、患者さんと相談して決めています。
「見た目を良くするために神経を抜くことになるかもしれない」という可能性も、事前に理解しておくことが大切です。
歯を削る必要がある
セラミック治療では、被せ物や詰め物を装着するために、ある程度歯を削る必要があります。これは避けられないプロセスであり、健全な歯質を失うことになります。
近年では、最小限の削除で済む技術も進歩していますが、それでも一定量の削除は必要です。特に前歯の見た目を改善するための治療では、健全な歯質を削ることへの抵抗感を持つ方もいらっしゃいます。
セラミック治療の長持ちさせるためのケア方法
セラミック治療は適切なケアを行うことで、より長く美しい状態を保つことができます。ここでは、セラミックを長持ちさせるためのケア方法をご紹介します。
定期的なメンテナンスの重要性
セラミック治療後も、3~6ヶ月に一度の定期検診を受けることが重要です。プロによるクリーニングと状態チェックにより、問題の早期発見・早期対応が可能になります。
「せっかく高いお金を払ったセラミックだから、長く使いたい」という気持ちは当然です。定期的なメンテナンスは、その投資を守るための最も効果的な方法です。
私のクリニックでは、セラミック治療を受けた患者さんには特に定期検診の重要性をお伝えし、リコールシステムでお知らせするようにしています。
適切なブラッシング方法
セラミックは傷がつきにくい素材ですが、適切なブラッシング方法を心がけることで、より長く美しい状態を保てます。硬すぎる歯ブラシや研磨剤の強い歯磨き粉は避け、柔らかめの歯ブラシと低研磨の歯磨き粉を使用しましょう。
特に歯と歯茎の境目は丁寧に磨くことが大切です。ここにプラークが溜まると、歯茎の炎症や二次虫歯のリスクが高まります。
「力を入れて磨けば磨くほど良い」というわけではありません。優しく丁寧に磨くことを心がけましょう。
歯ぎしり・食いしばり対策
歯ぎしりや食いしばりがある方は、ナイトガード(マウスピース)の使用を検討しましょう。就寝中の無意識の力から、セラミックを保護することができます。
また、日中の食いしばりに気づいたら、意識的に歯を離す習慣をつけることも大切です。顎の筋肉をリラックスさせるマッサージなども効果的です。
食生活の注意点
セラミックは通常の食事では問題ありませんが、極端に硬いものを噛むことは避けたほうが良いでしょう。氷を噛む、殻の硬いナッツ類を歯で割るといった行為は、セラミックを破損させるリスクがあります。
また、コーヒーやワイン、タバコなどによる着色は、セラミック自体よりも接着部分に影響することがあります。過度な摂取は控えめにし、摂取後はできるだけ早く歯磨きやうがいをすることをおすすめします。
セラミック治療の費用と保険適用について
セラミック治療を検討する際に、多くの方が気になるのが費用の問題です。ここでは、セラミック治療の費用と保険適用の有無について解説します。
セラミック治療は保険適用外
セラミック治療は基本的に保険適用外の自費診療となります。保険診療では、前歯部分にプラスチック系の白い素材、奥歯には銀歯(金銀パラジウム合金)が使用されますが、セラミックは対象外です。
保険診療にこだわるか、見た目や耐久性を重視して自費診療を選ぶかは、患者さん自身の価値観や予算に基づいて決める必要があります。
セラミック治療の費用相場
セラミック治療の費用は、使用する素材や歯科医院によって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです:
- セラミックインレー(詰め物):4万円~8万円程度
- セラミッククラウン(被せ物):8万円~15万円程度
- ラミネートベニア:8万円~15万円程度
- ジルコニアクラウン:10万円~20万円程度
複数の歯を治療する場合は、それに応じて費用も増加します。また、事前の検査費用や、必要に応じた根管治療(神経治療)の費用が別途かかる場合もあります。
「高額だからすぐには無理」という方も、分割払いに対応している歯科医院も多いので、相談してみるとよいでしょう。
費用対効果を考える
セラミック治療は確かに初期費用が高額ですが、長期的な視点で見ると、その価値は十分にあると考えています。保険の詰め物や被せ物は5~6年で再治療が必要になることが多いのに対し、セラミックは適切なケアを行えば10年以上使用できます。
再治療のたびに歯を削ることになり、その度に歯の寿命は短くなります。長い目で見れば、セラミック治療は歯の寿命を延ばし、結果的に経済的にもメリットがある場合が多いのです。

セラミック治療を受ける際のクリニック選びのポイント
セラミック治療の成功は、クリニック選びにも大きく左右されます。ここでは、セラミック治療を受ける際のクリニック選びのポイントをご紹介します。
セラミック治療の実績と症例数
セラミック治療は高度な技術と経験が必要です。多くの症例を手がけている歯科医師ほど、様々なケースに対応できる技術を持っています。クリニックのウェブサイトや相談時に、過去の症例写真を見せてもらうことで、その技術レベルを確認できます。
「このクリニックでどれくらいのセラミック治療を行っているのか」「どのような症例に対応してきたのか」を確認することは非常に重要です。
使用する材料と設備
セラミック治療で使用する材料や設備も、治療の質に大きく影響します。どのようなセラミック素材を使用しているか、どのような技工所と提携しているか、最新の設備を導入しているかなどを確認しましょう。
特に近年は、CAD/CAMシステムなどのデジタル技術を活用したセラミック治療が進化しています。こうした最新技術を導入しているクリニックでは、より精密で効率的な治療が可能です。
「どのような材料を使っているのか」「どのような設備で治療するのか」といった質問にも、きちんと答えてくれるクリニックを選びましょう。
カウンセリングの充実度
良いセラミック治療は、充実したカウンセリングから始まります。患者さんの希望をしっかり聞き、現状の問題点を詳しく説明し、複数の治療オプションを提示してくれるクリニックが理想的です。
初回のカウンセリングで、医師がどれだけ丁寧に説明してくれるか、質問にどれだけ誠実に答えてくれるかは、そのクリニックの姿勢を知る重要な指標となります。
アフターケアの体制
セラミック治療は装着して終わりではなく、その後のメンテナンスが重要です。定期検診の体制が整っているか、万が一トラブルが生じた際の対応はどうなるのかなど、アフターケアについても確認しておくことが大切です。
中には保証期間を設けているクリニックもあります。こうした保証制度があると、万一の際も安心です。
まとめ:セラミック治療で美しく健康な歯を手に入れよう
私は歯科医師として24年以上の経験の中で、多くの患者さんがセラミック治療によって笑顔を取り戻し、QOL(生活の質)が向上するのを見てきました。適切な知識と理解のもとで選択されたセラミック治療は、長期的に見ても非常に価値のある投資だと確信しています。
もし、セラミック治療にご興味がありましたら、ぜひ一度専門の歯科医院でカウンセリングを受けてみることをおすすめします。あなたに最適な治療法を見つける第一歩となるでしょう。
詳しい情報や実際の症例については、希望ヶ丘歯科クリニックのホームページもご覧ください。皆様の素敵な笑顔のお手伝いができることを楽しみにしています。
院長 武川 陽子

メッセージ
郡山市大槻町にある希望ヶ丘歯科クリニックで院長をしております武川陽子です。
私たちは、2001年の開院以来、地域に密着した歯科医院として患者様に寄り添った治療を続けて参りました。
患者様ひとりひとりに合った治療を心掛けており、その治療法の決定のため綿密にカウンセリングしております。
また、治療に関しては、不安を払拭すべく丁寧な説明も心掛けております。
歯の治療に関することなら、まずはご来院ください。
経歴
1992年 鶴見大学歯学部 卒業
1992年 新井矯正歯科(立川市) 勤務
1995年 武川歯科医院(港区) 開院
2001年 希望ヶ丘歯科クリニック 開院
現在に至る
