審美歯科
審美歯科とは
審美歯科とは、歯の健康を保ちながら見た目の美しさも追求する歯科治療の分野です。
昔の歯科治療は主に虫歯や歯周病などの機能回復が中心でしたが、現代では歯並びや色、形など歯の美しさ(審美性)にも注目が集まっています。
審美歯科では、自然な白い歯を再現するセラミックや、金属を使わない素材を用いた治療が主流となっています。歯の色や形だけでなく、顔全体のバランスを考慮した治療計画を立てることで、健康的で自然な美しい笑顔を取り戻すお手伝いをします。
特に前歯など人目につきやすい部分の治療では、機能回復だけでなく見た目の美しさも重要です。審美歯科の技術向上により、「治療した歯」と分からないほど自然な仕上がりが可能になっています。

常駐している歯科技工士が製作

当院の強みの一つが、詰め物・被せ物などを作る歯科技工士が常駐していることです。
歯を削って型取りを行った後は歯科技工士と呼ばれるプロフェッショナルが詰め物、被せ物を製作していきます。
直接患者さまの歯の大きさ・形・長さ、お顔の形などを確認して、細かな調整を行なっています。より最適な詰め物、被せ物を製作できる体制を整えております。
セラミック矯正
セラミック矯正は、審美歯科の代表的な治療法の一つです。天然の歯に近い色と透明感を持つセラミッククラウンを使用して、歯の形や色を整える治療法です。
セラミッククラウンは、セラミック製の被せ物です。
虫歯治療のあとに白い歯を入れる際に適応されることが多く、さまざまな審美治療に利用されます。
セラミックの矯正のメリット
- セラミック矯正の最大のメリットは、治療期間の短さです。
通院回数も少なくて済みます。一般的な矯正治療は、2〜3年の治療期間を要しますが、セラミック矯正は歯を移動させる処置を伴わないことから、2〜3ヶ月程度で歯並びを綺麗にできます。部分的な治療であれば、1〜2ヶ月程度で完了することも可能です。 - コーヒーやワイン、タバコなどによる着色や変色に強く、長期間白い状態を維持できます。
- 金属を使用しないため、金属アレルギーの方でも安心して治療を受けることができます。
ワイヤー矯正では矯正治療ができない方におすすめしています。 - セラミックは生体親和性が高く、歯茎の黒ずみなどのトラブルが起こりにくいのも特徴のひとつです。また従来のワイヤー矯正と違い、装置を装着せずに済むため、治療期間中の口腔衛生状態を保ちやすくなります。
セラミック矯正のデメリット
- セラミックを装着するために、健康な歯の一部を削る必要があります。元の歯の状態によっては、削る量が多くなることもあります。
- セラミッククラウンが破損した場合、部分的な修理が難しく、作り直しが必要になることがあります。
- 治療する歯の本数によっても大きく変わりますが、セラミック矯正にかかる費用はホワイトニングよりも高額になります。ただし、歯列矯正と比較した場合は、セラミック矯正の方がリーズナブルであるといえます。
ハイブリッドセラミック
ハイブリッドセラミックは、セラミックと樹脂(プラスチック)を組み合わせた素材で作られた被せ物です。セラミックの美しさと樹脂の柔軟性を兼ね備えた選択肢として注目されています。
セラミックの硬さと樹脂の弾力性を併せ持つため、噛み合わせが優しく、対合する歯(噛み合う反対側の歯)への負担が少ないという特徴があります。
ハイブリッドセラミックのメリット
- 噛み合わせが自然で、対合歯への負担が少ない
- 部分的な修理や調整が比較的容易です。
- オールセラミックと比較して、費用が比較的手頃
- 装着のために削る歯の量が、他の選択肢と比べて少なめ
- 装着感が軽く、違和感が少ない
ハイブリッドセラミックのデメリット
- オールセラミックと比べると耐久性がやや劣る
- 樹脂成分があるため、長期間使用すると変色する可能性があります。
- 時間の経過とともに、経年劣化で光沢が失われることがあります。
メタルボンド
メタルボンドは、内側に金属のフレームを使用し、表面をセラミックで覆った被せ物です。金属の強度とセラミックの美しさを組み合わせた治療法として、長年にわたり信頼されてきました。
内部の金属フレームが強度を確保し、外側のセラミックが自然な見た目を実現します。特に奥歯など強い噛む力がかかる部位には適していると言われています。
メタルボンドのメリット
- 内部の金属フレームにより、強い噛む力に耐えられる強度を持っています。
- 適切なケアを行えば、長期間安定して使用することができます。
- 強い噛む力がかかる奥歯の治療に適しています。
- 部位や条件によっては、保険が適用されるケースもあります。
メタルボンドのデメリット
- 内部に金属を使用するため、金属アレルギーの方には適さない場合があります。
- 時間の経過とともに、金属が見えるようになり歯茎が黒ずむリスクがあります。
- 金属は熱を伝えやすいため、冷たいものや熱いものを食べたときに敏感に反応することがあります。
CAD/CAM冠
CAD/CAM冠は、コンピューター技術を活用して設計・製作される最新の歯科治療です。CADはComputer Aided Design(コンピューター支援設計)、CAMはComputer Aided Manufacturing(コンピューター支援製造)の略で、従来の手作業による製作方法とは異なり、デジタル技術を駆使して精密な被せ物を作製します。
口腔内スキャナーで歯の形状を3Dデータとして取り込み、専用ソフトウェアで設計した後、ミリングマシンで削り出して製作します。この方法により、高精度で適合性の高い被せ物を短時間で作ることが可能になりました。
CAD/CAM冠は、保険診療でも適用される場合があり、小臼歯や大臼歯などの奥歯を中心に使用されています。
CAD/CAM冠のメリット
- デジタル技術により、従来の方法よりも短期間で治療が完了します。場合によっては1日で治療が終わることもあります。
- 金属を使用しないため、金属アレルギーの方でも安心です。
- 天然歯に近い色調と透明感を持ち、自然な見た目を実現します。
CAD/CAM冠のデメリット
- CAD/CAM冠用の材料は、歯の汚れや色がつきやすいです。
- セラミックと比較して耐久性が低く割れやすくなっています。
- CAD/CAM冠は、摩耗しやすく外れやすくなっています。ほかの被せ物・詰め物と比較して耐久性が低いため、強く噛み締めると摩耗して歪みやすくなってしまうからです。
セレック1dayトリートメント(自費診療)

当院では従来のCAM/CADシステムに加えて2025年6月に世界最大級の歯科医療用製品メーカー・シロナ社(ドイツ)が開発したセレックを導入しました。口腔内を3D光学カメラで撮影し、そのデータをもとにコンピュータを使って、修復物の設計から加工までをスピーディーに行うことができます。
セレックシステムは歯を削ってから後の作業、つまり「歯型を取る」から「修復物の作製」までをすべてコンピュータがおこないます。これに要する時間はおよそ1時間程度。つまりセレックシステムを使用すれば、歯の治療が1日で完了することができるわけです。このようなセレックシステムによる同日内の治療を「セレック1dayトリートメント」と呼ばれています。
適切な治療を選ぶために

審美歯科において適切な治療法を選ぶには、ご自身の状態や希望、予算などを歯科医師と十分に相談することが大切です。
それぞれの治療法には固有のメリットとデメリットがありますし、予算も変わってきます。当院では医療ローンを活用した分割払いも対応可能です。納得のいく治療を受けるためにも、疑問点は遠慮なくお尋ねください。
