BLOG
虫歯の痛みが起こる原因〜進行度別の症状と対処法

虫歯の痛みが起こるメカニズム
虫歯の痛みを理解するには、まず歯の構造を知ることが大切です。
歯は、表面から「エナメル質」「象牙質」「歯髄(神経)」という3つの層で構成されています。
エナメル質と象牙質の役割
私たちが普段目にしている白い部分は、エナメル質と呼ばれる組織です。
カルシウムやリン酸などからできており、人体で最も硬い組織として知られています。
エナメル質には神経がないため、この層だけが侵されている段階では痛みを感じることはありません。
エナメル質の内側にあるのが象牙質です。
象牙質はエナメル質より柔らかく、傷つきやすい性質を持っています。
この層には象牙細管という中空構造があり、そこから歯髄の神経に刺激が伝わるため、象牙質が露出すると痛みを感じるようになります。
虫歯菌が酸を作り出すプロセス
虫歯の原因となるのは、口の中に住むミュータンス菌などの細菌です。
これらの細菌は、食べ物に含まれる糖分を栄養源として歯の表面にくっつき、そこで増殖して歯垢(プラーク)を形成します。
細菌は糖分から乳酸を作り出すため、プラークの内部は酸性となり、ゆっくりと歯の表面のエナメル質を溶かしていきます。
この現象を「脱灰」と呼びます。
脱灰が進むと歯に穴が開き、いわゆる「虫歯」の状態になります。
そのまま放置しておくと、酸に弱い象牙質も壊れていき、やがて歯髄の神経や血液にまで細菌が侵入します。
こうなると耐え難いほどの痛みが出たり、ひどい場合には歯の根っこが化膿して全身に悪影響が出ることもあります。
虫歯の進行度と症状の変化

虫歯は進行度によってC0からC4までの5段階に分類されます。
Cは英語のカリエス(虫歯)の略で、数字が大きくなるほど虫歯が進行していることを表します。
C0(初期虫歯):自覚症状がない段階
虫歯の原因菌が作り出す酸によって、歯が溶かされ始めた段階です。
この段階では自覚症状がほとんどなく、定期検診で発見されることが多いです。
まだ歯を削らずに治すことも可能で、丁寧な歯磨きやフッ素塗布によって再石灰化を進めることで、虫歯の進行を食い止めるだけでなく、治すこともできます。
C1(エナメル質の虫歯):黒い着色が見られる段階
虫歯がエナメル質にとどまり、象牙質に達していない段階です。
黒い着色や白い斑点で始まりますが、この段階でも自分で発見するのは難しいです。
エナメル質には神経がありませんので、通常痛みはありません。
治療は、虫歯部分を取り除き、詰め物をすることで歯を修復します。
麻酔を使わずに治療でき、一回の治療で済む場合も多いです。
C2(象牙質の虫歯):冷たいものがしみる段階
虫歯が象牙質に達している場合、しみるなどの自覚症状が現れます。
冷たいものや甘いものを口にすると、歯がしみるように感じます。
痛みは一過性で、10秒程度で治まることが多いです。
この段階から進行が早くなりますので、早めの治療が重要です。
治療は、虫歯部分を取り除き、詰め物や被せ物をします。
症状によって局所麻酔を使用します。
C3(歯髄の虫歯):激しい痛みが続く段階
歯髄(神経)のところまで虫歯が達して炎症が起き、かなり虫歯が進行している状態です。
熱いものがしみる、何もしなくても激しい痛みがあるといった症状が特徴です。
ズキズキする大変強力な痛みで、数十分間は継続します。
痛みは耳、頭、頬などに広がることもあります。
この段階では、炎症が起きている部分と痛んでいる神経を取り除く根管治療が必要な場合があります。
治療期間は長くなり、根気のいる治療になりますが、この段階で治療をすれば歯自体は保存できることが多いです。
C4(歯根の虫歯):神経が死んでいる段階
歯が崩れた末期の虫歯になっているケースが多いです。
痛みを感じる神経自体が虫歯により壊死しているため、痛みを感じません。
しかし、この段階を放置するとやがて根に膿みがたまり、激痛を生じやすくなります。
麻酔も効きにくくなり、歯を残すことが困難になってきます。
多くの場合、抜歯が必要となります。
虫歯の痛みと知覚過敏の違い
「冷たいものがしみる」という症状は、虫歯だけでなく知覚過敏でも起こります。
両者を見分けることは、適切な治療を受けるために重要です。
知覚過敏の特徴
知覚過敏は、何らかの原因によってエナメル質が傷ついて象牙質が露出してしまい、外部からの刺激が内側の神経に伝わりやすくなって痛みを感じる疾患です。
加齢による歯ぐきの後退などによっても象牙質はむき出しとなり、知覚過敏の主な原因となります。
歯の根元部分にはエナメル質がなく、全て象牙質でできているためです。
虫歯と知覚過敏の見分け方
虫歯と知覚過敏を見分けるポイントは、主に3つあります。
痛みの持続時間:知覚過敏では10秒程度で痛みが治まりますが、虫歯では数10秒から数分続きます。
叩いたときの反応:知覚過敏では歯を叩いても痛みはありませんが、虫歯では響くような鋭い痛みがあります。
歯の見た目:知覚過敏では歯の表面はきれいで、歯の根元が露出していることが多いです。虫歯では歯に茶色から黒色のシミがあり、歯の根元は露出していないことが多いです。
ただし、自己判断は難しいため、気になる症状がある場合は早めに歯科医院を受診することをおすすめします。
虫歯の進行速度と影響する要因
虫歯の進行速度には個人差があり、明確に提示することはできません。
しかし、いくつかの要因が進行速度に大きく関わっています。
虫歯の進行速度に関わる3大要素
虫歯の原因には「虫歯菌」「糖質」「歯質」の3つの要素が深く関わっています。
菌が糖を養分として摂取したあと、酸性の排泄物をすることでその酸が歯質を溶かします。
その際、歯質が弱いと虫歯になりやすく、その進行も速くなります。
逆に、虫歯菌の量が多く、口腔ケアを疎かにしているのにも関わらず、歯質が人一倍強いことが理由で進行が遅いという方もおられます。
進行速度を早める生活習慣
以下のような習慣がある方は、虫歯の進行速度を早めてしまう可能性が高いです。
お菓子やジュースなどを摂取することが多い:糖分の摂取量・摂取回数が多いと、細菌の活動が活発になります。
食事や間食のダラダラ食べが多い:口の中が酸性に傾いている時間が長くなり、虫歯のリスクが高まります。
歯磨きの際にフロスや歯間ブラシを使用していない:歯と歯の間の汚れが残りやすくなります。
そもそも歯磨きをあまりしていない:プラークが蓄積され、虫歯になりやすくなります。
歯科検診にしばらく行けていない:初期段階での発見が遅れ、進行してから気づくことになります。
乳歯は永久歯より進行が速い
乳歯のエナメル質は永久歯に比べて薄く、酸に対して弱いので、虫歯の進行が速い傾向があります。
極端な話だとたったの1週間で次のステージに進んでしまうこともあります。
そのため、大人が子どもの歯磨きのサポートや定期的な歯科検診を通じて適切なケアを行ってあげましょう。
特に、おやつや食事後の歯磨き習慣が虫歯のリスクを軽減する大きな鍵となります。
虫歯の痛みへの対処法

虫歯の痛みが出たら、できるだけ早く歯科医院を受診することが最も重要です。
しかし、すぐに受診できない場合の応急処置についてもお伝えします。
早期発見・早期治療の重要性
虫歯は初期の段階で症状は出にくく、そのため痛みが出たときにはむし歯が深くまで進行していることがあります。
C1の状態からC2に至るまでは数ヶ月から1年程度かかる傾向がありますが、中期や末期になると更に進行が速くなることが多いため、虫歯の自覚があるのにも関わらず放置している方はとても危険な状態だと考えられます。
重症化して抜歯や欠損補綴(なくなった歯を人工歯で補う治療)が必要になると、治療にかかる費用と時間の負担が大きくなります。
虫歯は自然に治らない
虫歯が再石灰化により自然に治るのは、歯が溶け始めて、まだ穴があいていない初期の段階に限られます。
虫歯が進行して穴があいてしまうと、その部分は再生することはありません。
ごく稀に、「虫歯を放置し続けていたら、いつの間にか痛みが消えた」という方がいますが、虫歯が自然に治ることは決してありません。
痛みを感じなくなった理由は、歯の神経が死に、痛みを感じとれなくなっている可能性が高いです。
当院での虫歯治療
希望ヶ丘歯科クリニックでは、できる限り天然歯を残すことを目標としています。
治療前には口腔内の状態を丁寧に検査し、症状の原因や進行状況をわかりやすくご説明したうえで、無理のない治療計画をご提案します。
また、表面麻酔や段階的な麻酔方法を取り入れ、治療時の痛みや不安の軽減にも配慮しています。
再発リスクを抑えるため、根の奥まで丁寧に処置する根管治療にも力を入れており、「何度も治療しているのに痛みがとれない」という方もぜひご相談ください。
平日は19時まで、土曜日も14時まで診療しておりますので、お忙しい方でも通いやすい環境を整えています。
広々とした完全個室の診療室でプライバシーに配慮し、女性医師も在住しておりますので、お子様にも柔らかい印象を持っていただける環境です。
まとめ
虫歯の痛みは、細菌が歯の内部に侵入し、神経を刺激することで発生します。
初期段階では痛みがなくても、進行すると冷たいものがしみる、ズキズキとした痛みが続くなど症状が変化します。
虫歯は自然に治ることはなく、放置すると進行が速くなり、最終的には歯を失う可能性もあります。
少しでも歯に違和感や痛みを感じたら、早めに歯科医院を受診することが大切です。
また、定期検診を受けることで、初期段階での発見・治療が可能になり、治療の負担を抑えられる可能性があります。
虫歯の痛みでお悩みの方、治療に不安をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。
詳しくは希望ヶ丘歯科クリニックの公式サイトをご覧ください。
希望ヶ丘歯科クリニック 院長 武川 陽子

メッセージ
郡山市大槻町にある希望ヶ丘歯科クリニックで院長をしております武川陽子です。
私たちは、2001年の開院以来、地域に密着した歯科医院として患者様に寄り添った治療を続けて参りました。
患者様ひとりひとりに合った治療を心掛けており、その治療法の決定のため綿密にカウンセリングしております。
また、治療に関しては、不安を払拭すべく丁寧な説明も心掛けております。
歯の治療に関することなら、まずはご来院ください。
経歴
1992年 鶴見大学歯学部 卒業
1992年 新井矯正歯科(立川市) 勤務
1995年 武川歯科医院(港区) 開院
2001年 希望ヶ丘歯科クリニック 開院
